最近、よく耳にするようになった「ハイレゾ」という言葉ですが、明確な意味をご存じない方かも多いのではないでしょうか？
まず、ハイレゾの語源はHigh-Resolution Audioの略称で、日本独自の呼称になります。ハイレゾは、一言でいうと音源における高音質もしくは高解像度のことを意味しています。
ハイレゾが生まれた背景
余談になりますが、なぜ、ハイレゾという言葉が生まれたのかというと、オーディオメーカー側のマーケティング戦略にほかなりません。メーカー側としては、CD以上のより高音質で原音に近い音楽をユーザーに楽しんでもらいたい（言い換えれば、CDの市場は限界があり、高音質の音源を軸とする市場を開拓しなくては、という焦りでもあります）。そのためにはユーザーに分かりやすく、そしてキャッチーな言葉を売り文句に広げていく必要がありました。
そこで、ハイレゾというCD以上の高音質の音源をそのように呼ぶことにしたのです。ハイレゾという新たなレベルが誕生したことで、CDのレベルが相対的に低くなり、ユーザーはハイレゾを求めるようになりました。
ハイレゾという言葉はバズワードになり、とりあえず「いい物なんでしょ」と、ハイレゾの意味をよく理解しないままに、まんまとハイレゾ対応製品に飛びついた方もいるのではないでしょうか。
そして、メーカー側の思惑通りに、ハイレゾは瞬く間に浸透していきました。
ここでは、ハイレゾの定義、ハイレゾは必要なのか説明していきます。
ハイレゾの定義
ハイレゾ音源の基本定義は、先程も言ったようにCD以上の高音質の音源のことです。
CD以上は分かりました。「じゃあ、音源の音質って、何の基準で決められてるの？」という疑問がありますね。
私も最初は知りませんでしたし、どうしても技術的、専門的な話になるので、今でも分かっているようないないようなという感じです。
正直、理解していなくても音楽は楽しめますし、ハイレゾ音源なのかをスペック的に識別できればそれで十分だと思っています。
まず、音源、つまり、世の中のすべての音は目で見えない「波」で表現されるということを理解するところから始まります。
音の仕組みについては、こちらのサイトが参考なります（音の仕組み）。
原音（アナログ波形）
この自然界で表現される波を保存するには、デジタルデータとして記録する必要があります。
そして、デジタルデータとして、どのように記録するのかかが、ハイレゾ音源なのかCD音源なのかということになります。
その際に以下の２つの要素で波を分解して、データとして記録していきます。
・サンプリング周波数
・量子化ビット数
正直、この物理学的な言葉を聞いただけでも、「なにそれ、難しい、私には無理だな」と、気が滅入ってしまいます。
これは、もっと親近感の湧く別な呼び方を考えてほしいところですが。とりあえず、この名前で進めていきます。
サンプリング周波数
サンプリング周波数とは、上の軸でいうところの横軸（X軸）で、音の高さ・低さを示しています。音の高さは、波の数で表されます。同じ時間により多くの波が起こっている場合に高い音になります。この波を１秒の間に何回記録するかが、サンプリング周波数になります。単位はHz（ヘルツ）で表します。
CDのサンプリング周波数は、４４KHｚになりますので、１秒間に４４０００回記録しているという意味になります。
これが、ハイレゾ音源のサンプリング周波数では、９６KHｚ、１９２KHｚになります。つまり、１秒間に９６０００回、CDのサンプリング周波数の倍以上のデータを記録していることになります。より細かく記録することで、原音に近くなるのはイメージできるかと思います。
量子化ビット
一方で量子化ビット数は、音の大小を記録する指標になります。CDの量子化ビットは１６bitで、２の１６乗＝６万５５３６に分解して記録します。ハイレゾ音源は、２４bit以上なので１６７７万７２１６にに分解されるので、圧倒的に記録する細かさがCDとハイレゾとでは数値上の違いがあることは理解できるのではないでしょうか。
CDとハイレゾの違い
サンプリング周波数、量子化ビットについては、こちらの記事が分かりやすくまとめています。
このように、ハイレゾ音源はより原音に近い形で記録されていることが分かると思います。ハイレゾは原音に近いので、高音質を実現できているということになります。つまりは、ハイレゾ≒原音という言い方が正しいのかもしれません。
今回は、ハイレゾとは何なのかについて説明してしました。最後までお読みいただきありがとうございます。次回は、ハイレゾ音源を聴くにはどうすればよいのかについて紹介します。